要介護者のケアは、複数のスタッフで担当することが一般的です。これは単純にひとりの要介護者を複数のスタッフでサポートするという意味ではなく、多職種のスタッフが関わることを意味しています。こうした取り組みはチームケアとも呼ばれていて、専門分野が異なるスタッフを集めることでスタッフ個人の負担を軽減させると同時に充実したケアの提供が可能です。チームの司令塔と呼べる存在は医師で、そこに看護師や作業療法士、介護施設の職員などで構成されます。状況によっては歯科医師や地域の民生委員なども加わります。医師の診断をもとにケアプランが策定されて各スタッフが活動しますが、要介護者と過ごす時間が一番長いのは施設職員です。要介護者を一番理解しているのは医師ではなく施設職員かもしれません。
複数の介護職で構成されるチームが適切に協力するためには、情報の共有が欠かせません。要介護者がどのような人物なのか、心身の状況や性格などをチーム全体で把握する必要があります。チームメンバー全員が参加する打ち合わせを定期的に開催することが望ましいといえますが、定期開催が難しい状況でもインターネットなどを経由して情報共有に努めることが大切です。情報共有が徹底されていればアクシデントを防げるだけではなく、急な体調悪化にも対応しやすくなります。介護施設の職員は要介護者と日常的に交流があるので、小さな変化にも気がつく可能性が高いといえます。変化を感じ取ったら、迷わず情報をチームに報告しましょう。